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名残の桜と早咲きの薔薇(京都府立植物園 2025/05/04)
本州ではもっとも遅く開花すると思われる「太田桜」が、京都府立植物園で開花した。数年前からこの桜の存在は気になっていたのだが、なかなか開花しないので、やはり気候風土が異なるのでうまく開花しないことのほうが多いのだろうかと思っていた。 この桜は、岐阜県の白川郷にある本覚寺という寺の境内に原木がある。一度だけ見に行ったのだが、現地では5月初旬の連休が明けるころにやっと開花していたのだった。ちなみに、白川郷のすこし南、荘川村に御母衣ダムが建設されたときにダムの底に沈んだ寺の境内にあった2本の桜(樹種は「江戸彼岸」、樹齢400年以上)が、完成したダム湖の湖畔に「荘川桜」として移設されている。この桜も寒冷地故に花が咲くのは4月下旬から5月初旬になるのだが、太田桜はこれらの桜よりもさらに遅いのである。 京都府立植物園に太田桜があることに気がついたのは、2017年の4月だった。このときは緑の葉が広がっているだけで、花は見つからなかった。2022年に数輪の花が咲いているのに気がついた。2024年は、これから開きそうな蕾らしきものはあったのだが、開花しなかったようだ。そして、2025年、1週間ほど前に見たときに蕾があったので、今年はひょっとしたら開花するかもしれないと思った。遅咲きの桜なので、京都は白川郷よりは暖かいとはいえ、開花はまだかなり先だろうと思っていた。それが、5月4日に行ってみると、咲いていたのだった。 植物園には、桜のあとは石楠花が楽しめる。正門から入ってすぐ右手にまっすぐ行くと植物園会館があるのだが、途中左の大きな楠の森のなかに石楠花がある。ここの植えられているのは、日本名が付けられている品種も多いが、西洋石楠花に分類される。 薔薇のシーズンにはまだすこし早いのだが、原種の薔薇はもう咲いている。黄色で八重の「モッコウバラ(ロサ・バンクシアエ・ルテア)」や白色で八重の「モッコウバラ(ロサ・バンクシャ・アルバ)」、「ロサ・ギガンティア」や「ナニワイバラ」などがもう見ごろを迎えている。 春の花といえば、「シャガ(射干・著莪)」も目立つのだが、日本に自生する白色のほか、中国から来たらしい青色の花もある。 その他、「ハンカチノキ」など、たくさんの花が一気に春の到来を告げている。 今回の写真のリストを以下に挙げる。
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